会報誌(DDKだより)

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2000年10月発行 第77号 DDKだより

年金相談:60歳から年金を受けると損?

Q.  私はこの11月に60歳になります。定年後も今の会社に再雇用される予定ですが、社長から年金も受けるように言われました。60歳から受けると年金額は生涯にわたって減額されると聞いており、損になるのではと心配です。 




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今月の相談員 
社会保険労務士 栗原 淑江  


A.  あなたのように厚生年金保険に加入してきた方が60歳から受けられる年金は、「特別支給の老齢厚生年金」といって、もともと60歳だった厚生年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられるまでの経過措置として支給されるものです。
 国民年金(老齢基礎年金)の繰上げ支給とよく間違えられるのですが、減額の心配はまったくありません。(*)
 ただし、定年後も在職して厚生年金の被保険者である場合は、標準報酬月額によって、年金額の一部または全部が支給停止の取扱いを受けます。多くの会社は、60歳定年後の継続雇用にあたっては、受けられる年金額や雇用保険の高年齢継続給付を勘案しながら新しい賃金を決めているようです。いずれにせよ、会社を管轄する社会保険事務所で、ご自分が受けられる年金額を確認のうえ、裁定請求の手続きをしておかれることをおすすめします。
 在職により一部支給停止された年金は、途中で退職した場合は全額支給されますし、満65歳に達すれば、60歳からの被保険者期間分も加算して、本来の年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)が支給されることになります。

 *老齢基礎年金の繰り上げ・繰り下げ支給について
 本来65歳から支給される老齢基礎年金には、60歳から受給できる「繰上げ支給」や70歳までの「繰下げ支給」の制度があります。この場合には、その年数に応じて定められた減額(繰上げ)・増額(繰下げ)率が生涯ついて回ることになります

 



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