会報誌(DDKだより)

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2000年03月発行 第70号 DDKだより

巻頭言:「私は世界一の無責任な借金王」

顧問  岩井 義照       
     祝経営研究所所長
     <近著>
     『どんとこい銀行』改訂版
     (サンマーク出版)

  
 


 小渕首相はノーテンキにも「私は世界一の借金王」と言っている。僅か1年5ヶ月間の在任中101兆円の借金を増やし平成12年度末には国と地方を合わせた借金残高は645兆円となる。国民一人あたり540万円、税収の14年分、GDPの130%。こんな巨額な借金をしている国は世界中どこもない。EUの基準では借金残高はGDPの60%が限度で、これを超える国は破綻国と認定される。日本は130%だ。
 日本の国債は絶対返済することのできない究極の不良債権だ。12年度予算の一般支出は85兆円(含国債元利支払22兆円)。これに対する収入は52兆円(うち税収49兆円)に過ぎず、33兆の借金(国債)でやっと収支を合わせている。元金はおろか利息も全く払えないのだ。借金を1円も払わなくてもなお11兆円不足なのだ。この不足33兆円を増税で賄おうとすると、消費税を13%位引き上げ18%位にしないと賄えない。自由党の小沢一郎が消費税20%以上を主張しているのはこのためだ。
 一方歳出削減、国債という借金は誰も棒引きできない。国民と子孫が払うしかない。増税で取り立てるか、インフレをおこして国民の富を盗むか、暴落して支払停止でチャラにするか(この場合国債の最大の購入者は郵便局、銀行、生保であるから、貯金も預金も生保積立金も払戻しはできない)、これしかない。
 驚いたことに都銀は昨年15兆円の貸し渋りを行い、22兆円の国債を買っている。利息も払えない不良債権を増やしているのだ。恐ろしい話だ。すでに自民党の無責任政府のもと、国債発行を止めるのは全く不可能だ。小渕と政府は間違いなく日本を破綻させている。こんな政治を続けさせて良いのか。