会報誌(DDKだより)

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1999年11月発行 第66号 DDKだより

制度改正のお知らせ:介護保険の保険料

社会保険労務士 栗原淑江  


 公的介護保険制度がいよいよ2000年4月から実施されます。これに先立ち10月1日からは、各市区町村で介護サービスを受けるための申請受け付けと「要介護」認定作業もスタートしました。今回は、中小企業にも関わってくる保険料負担を中心にご説明しましょう。
 介護保険は、40歳になると全員が加入し被保険者になる強制加入の保険制度です。年齢によって第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40~65歳未満)に分けられ、生涯にわたって保険料を支払いつづけることによって、介護が必要になったときに、市町村の認定を受け、かつ利用料の一部を負担すれば、様々な介護サービス(在宅12種、施設3種)を受けられるようになります(ただし、第2号の場合は、老化に起因する「特定疾病」によって介護を要する状態になったときのみ)。
 財源の半分をまかなう加入者の保険料は、次のように納めます。
 ①第1号被保険者(65歳以上の方)の保険料は市区町村ごとに定められます。個人の所得に応じた5段階の定額で、月15,000円以上の老齢・退職年金受給者の場合は年金から天引き、その他は市区町村が個別に徴収します。
 ②第2号被保険者(40歳~65歳未満)の保険料は、加入している医療保険ごとに定められます。政府管掌健保や健保組合の場合は、健康保険料のように、算出された介護保険料率を標準報酬月額に掛けて計算。事業主がその半額を負担し納付することになっています。40歳以上のサラリーマンは、月々の給料から健康保険の保険料(一般保険料)に介護保険の保険料を上のせした金額が天引きされます(サラリーマンの妻など被扶養者の保険料は、納める必要はありません)。
 国民健康保険の加入者の保険料は、市区町村ごとの算定方法で決められ、その半額は国が負担。国民健康保険料に介護保険料を上のせした額を市町村に納めます。
 平均の保険料(月額)は、政管が約3,000円、健保組合が約3,400円、国保が約2,600円と推定されていますが、最終確定は来年3月頃と言われます。
 ※なお、介護保険料の徴収は、65歳以上の高齢者を中心に一定期間凍結される見込みです。
 


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