会報誌(DDKだより)

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1997年04月発行 第35号 DDKだより

巻頭言:経営者の条件とは

河野 先       
    第一経理 代表取締役
    中小企業家同友会全国協議会 幹事長
  
 


 私達、中小企業の経営環境は大変厳しく、正に経営者の資質と根幹が問われています。もちろん、自助努力にも所詮、企業の力量としての限界があるのは事実です。しかし、今大切なことは、淡い期待や他のせいにするのではなく“隗より始めよ”(注)と心して腹を据えて前向きに取り組むことです。
 人間は生まれれば戸籍原簿に、会社は設立すれば登記簿に記載され、社会的に認知されます。
 例え、生活の糧として始めたとしても、社会とのかかわりで存在して商いがあるわけで、その面では企業は社会の公器なのです。
 今年度総代会の記念講演をお願いした相川直之先生は、自らの業務の体験を通じて、多くの中小企業経営者と接しているだけに、極めて明解に経営者の問題点を指摘しています。
 自分の仕事をどれだけ愛しているか、自分の仕事の必要性をどれだけ信じているか、逆境にどれだけ耐えられるか、自分の責任でどれだけ決断できるか、そして最大の問題は経営者の人間的側面である、と経営の原理・原則を問いかけています。
 中小企業の経営は、まさに経営者そのものにかかっており、従来の延長線の漫然とした商いでは事業を存続することが出来ない厳しい時代だと認識すべきです。
 自らの経営の置かれている状況を社会的科学的に把握し、時代を見据えた戦略を具体的にたて推進することと、必ずそのことを実現するのだという経営者の意志とこだわりが必要です。
 それには、時代の変化を読む力と問題意識を持つことが求められます。
 第一経理の30周年記念誌に、阿部国博氏が関与する多くの顧問先で発展している企業の特徴を次の4点あげています。
 (1)事業に対するひたむきな情熱と根性。(2)情報に敏感で状況の変化に対応できる柔軟な思考力。 (3)すぐれて健康であること。(4)独自の考え方、技術、ノウハウがあること。
 いずれにしろ、中小企業は大企業と違ってヒト、モノ、カネ、情報、技術などのいずれかが不足しているからこそ、協同組合の存在理由と価値があるわけです。
 今年度も、お互いの知恵と力で厳しい経営環境を乗り越え、中小企業新時代を切り拓こうではありませんか。