会報誌(DDKだより)

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2026年01月発行 第380号 DDKだより

人事労務相談:柔軟な働き方とは

Q.令和7年10月から育児介護休業法の改定で「柔軟な働き方」が導入されていますが、どんな内容でしょうか。

今月の相談員
経営労務コンサルタント
社会保険労務士 石田 仁

A. 3歳以上小学校就学前の子を養育する従業員が、フルタイムでも働ける措置を選べるようにするためのものです。会社は、事前に過半数労働組合又は従業員の過半数の代表等から意見を聞く機会を設け、職場のニーズを把握した上で、下記の5つから実現できる2つ以上の措置を選択し、従業員がその中から1つ選び利用することができる制度です。法が示す柔軟な働き方の措置とは後掲の通りです(※)。
 対象となる従業員は3歳から小学校就学前の子を養育する従業員で日々雇用される者は対象外です。ただし、労使協定を締結することにより、入社1年未満や1週所定2日以下の従業員を除外することができます。
 今般の改正では、柔軟な働き方を実現するための措置として「個別の周知・意向確認」と仕事と育児の両立に関する「個別の意向聴取・配慮」が課されることになりました。
 「個別の周知・意向確認」とは、会社が、従業員の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に、柔軟な働き方として制度化された2つの対象措置の内容、申出先、所定外労働、時間外労働、深夜労働の制限につき、個別に面談や書面交付等で周知し意向を確認する措置のことです。
 他方、「個別の意向聴取・配慮」とは、会社が従業員本人又は配偶者の妊娠・出産の申立時や、従業員の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に、勤務時間帯、勤務場所、両立支援制度等の利用期間、業務量や労働条件の見直し等、個別に面談や書面交付等により意向を聴取する措置です。会社は従業員の意向につき、自社の状況に応じて配慮する義務があります。
 後者の意向聴取は働きながら、育児をするにあたって、労働条件の見直し等の要望の聞き取りであり、前者は実際に、柔軟な働き方のいずれを選択するかの意向確認です。2つの措置は柔軟な働き方が適切に行われるよう相互補完するものですが、別々に行わず、同じタイミングで実施することも可能です。まずは、就業規則や育児・介護休業規程等を改正し、子を養育する従業員が柔軟な働き方ができるよう取り組みましょう。

(※) 
(1) 始業時刻等の変更
1日の所定労働時間を変更しないいずれかの措置。
・フレックスタイム制。
・始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度。
(2) テレワーク等
1日の所定労働時間を変更せず、月10日以 上利用できるもの。情報通信技術を利用しない業務も可。時間取得も可。
(3) 保育施設の設置運営等
保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜供与となるもの。例えばベビーシッターの手配や費用負担等。
(4) 養育両立支援休暇
1日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの。時間取得は必須。有給無給は任意。
(5) 短時間勤務制度
1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むものです。