会報誌(DDKだより)

DDK Newsletter

2021年08月発行 第327号 DDKだより

金融・経営相談:日本版インボイス方式はいつからどのように変わるのか、あわてずに対応しましょう!!

Q.消費税の関係で現在の請求書は適格請求書、いわゆるインボイスに変わると聞きましたが、いつから、どのように変わるのでしょうか。

今月の相談員
税理士 平石 共子

A.消費税の納税額は、売上にかかる消費税額から仕入にかかる消費税額を控除して計算します。この仕入にかかる消費税額を控除することを仕入税額控除といいますが、現在は「区分経理に応じた帳簿及び請求書等(区分記載請求書等)の保存が要件となっています。これが「区分経理に応じた帳簿及び適格請求書等」の保存に変るのです。導入時期は2023(令和5)年10月1日。この請求書のことをEUなどではインボイスと呼び、日本版インボイスといっています。
 何が変わるのかというと、請求書等に事業者の登録番号が記載されるという点です。
 この登録番号の申請受付が今年の10月1日から開始するので、にわかに宣伝が行われています。登録番号は法人の場合、T+13桁の法人番号、個人事業者の場合は、T+13桁の番号がつけられます。自分で好きな番号を選ぶことはできず、税務署に登録申請すると、税務署は審査し、付番して登録を許可するという流れです。
 請求書等とは、請求書のほか納品書、領収書、レシートのことをいいます。
 適格請求書の記載事項
(1)発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに合計した対価(税抜き又は税込み)及び適用税率
(5)消費税額等 
(6)書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
※小売業、飲食業、タクシーなどは(6)の宛名は省略できます。
★登録番号の申請受付の開始 
  2021(令和3)年10月1日
★適格請求書等保存方式の導入
  2023(令和5)年10月1日
 ここで問題なのは、課税事業者に対して適格請求書・適格領収書の発行が義務付けられるということ。したがって、免税事業者(年間売上高1000万円以下)は、仕入税額控除ができないので取引から排除される可能性があり、課税事業者の選択を迫られることになります。国税庁は個人事業者、法人で約370万人超が課税事業者を選択するとみています。
 日本商工会議所をはじめとした中小企業の団体、税理士会などから、事務負担の増加、納税負担の増加、あるいは免税事業者に対する取引排除、不当な値下げを招くとして、凍結、見直し、廃止、少なくとも延期などの声が上がっています。登録の申請はあわてずにじっくりと対応しましょう。