会報誌(DDKだより)

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2018年10月発行 第293号 DDKだより

年金相談:3歳未満の子を養育する期間の年金額の特例

Q.育児休業から復帰し養育期間の特例措置の申出をしました。ねんきん定期便でどのように反映されているのかわかりません。教えてください。

今月の相談員
特定社会保険労務士 服部 雅恵

A. 3歳未満の子どもを養育する厚生年金保険の被保険者が勤務時間の短縮等により賃金(標準報酬月額)が下がった場合、子どもが生まれる前の賃金(標準報酬月額)に基づく年金額を将来受け取ることができます。この仕組みを養育期間の特例措置といい、次世代育成支援を目的に設けられています。ただし下回った場合に、被保険者が事業主を経由して届出(申出)ることが必要です。届出後は保険料の負担は実際の賃金額に応じて軽く、将来の年金額は多くもらえることになります。
 育児を理由に下がったかどうかを問うわけではありませんので、例えば3歳未満の子どもを養育する家族が、引越しで通勤手当が変更し、標準報酬月額が下がった場合でも対象となります。この特例は父母双方対象です。
 ご質問のねんきん定期便(50歳未満の方用・圧着式はがき)での見方は、次のとおりです。
(1)『2.これまでの加入実績に応じた年金額と【参考】これまでの保険料納付額(累計額)』欄では、保険料納付額(累計額)の厚生年金保険料は実際に毎月の給与から控除されている金額(納付額)。
(2)『最近の月別状況』での「標準報酬月額」欄は従前の標準報酬月額を表示しています。養育開始月前の高い額です。そして、その欄に該当する「保険料納付額」欄は(1)と同じく実際の標準報酬月額に基づく納付額が表示されています。
 単純に記載されている標準報酬月額に料率を掛けても記載の納付額にならないのは、このためです。
 特例の適用期間は、3歳未満の子を養育(出生)することになった月から子どもが3歳の誕生日を迎える前月分までです。ただし、この間に新たに第2子等の産前産後休業、育児休業が開始されると特例措置は終了します。また、子どもの出生日前1年間に厚生年金の被保険者期間が一月もない場合は適用されません。