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会報誌(DDKだより)

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1999年02月発行 第57号 DDKだより


巻頭言:銀行は根本的な反省を

参与  田口 良一       
     祝経営研究所次長
     最近の主な論文
     「借入金の金利交渉を見直そう」
     (「企業実務」1998年2月号)
     「『貸し渋り』はなぜ起きたか」
     (「世界」1998年」5月号)

  
 


 昨年10月から実施された「中小企業金融安定化特別保証制度」はいろいろな論議を呼んでいます。政府は「信用保証協会の保証付きの融資で金融機関が旧債務を返済させることは禁止されています」と、広報を各紙に掲載して銀行の行動に警告することにもなりました。
 特に、横浜銀行の内部通達文書が国会で取り上げられ、「当行としては本制度を『貸出資産内容健全化の千載一遇の機会』ととらえ、最優先課題として徹底推進する」という個所は、マスコミの注目を集めました。
 国会やマスコミの注目をひかなかったけれども、この内部文書には次のくだりがあります。「低格付け先にかぎらず、新規与信供与には『マル保』を前提に取り扱う」銀行用語で、与信供与とは貸付けのことであり、マル保とは保証協会のことです。
 新しい貸付け先は、たとえ担保を提供しても、あるいは経営内容が良好でも、すべて保証協会をつけるというのです。
 与信とは不動産価値や、保証に応じて行われるものでなく、基本的には企業の体力、すなわち経営力、販売力、のれん、ネットワークなどを総合して行われるべきです。担保価値や保証の範囲内の融資であれば、審査などは不用なのです。いいかえれば、担保不足が企業金融の原則です。
 銀行はリスクをとるのが商売なのです。リスクがこわくて、みずからの審査機能を放棄して(そのくせ取引き先の格付けは厳格に実施し、金利を引き上げながら)、国家保証に寄りかかる傾向は、ひとり横浜銀行だけではないでしょう。
 横浜銀行は、地方銀行協会の会長銀行であり、歴代の頭取(社長)は大蔵事務次官の指定席とされているのですから、業界の指導的立場の銀行です。この内部通達を廃棄したと称して、問題にフタをするのではなく、銀行業界は担保依存主義を根本的に反省・是正すべきです。 
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