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会報誌(DDKだより)

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2017年11月発行 第282号 DDKだより


金融・経営相談:銀行カードローンに何が起きている―  金融庁の立ち入り検査  ―

Q.最近、金融庁が個人向け銀行カードローン実態調査のためメガバンクに対する立ち入り検査を始めたとの新聞報道がありました。大変簡単で迅速に資金が借りられ便利で一時的な運転資金不足の際助かっています。金融庁の検査の背景は?今後何らかの規制強化がなされるのでしょうか。

今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝

A.金融庁が本年10月、銀行カードローン問題だけでの初の検査に入るという異例事態となりました。検査の主眼は、「(1)過剰融資を防ぐ審査体制があるか、(2)保証会社の審査に過度に依存していないか、(3)配慮に欠けた広告、宣伝になっていないか、(4)貸付後の顧客の状況を把握しているか」等。そして結果次第では銀行に改善を求める方針といわれています。
今回の金融庁検査の背景
 昨年の日本弁護士連合会(日弁連)による「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」(注1)や「アンケート調査結果の声明」(注2)、そして国会での追求を受けてようやく調査に動き出しました。
 日弁連の見解によると、平成20年の「改正貸金業法」により、社会問題となっていた多重債務者と自己破産も大幅減少したが、ここ最近自己破産等債務整理が増加傾向に転じている。その原因に消費者の返済能力を超える銀行カードローンの過剰貸付があり、多重債務の温床になりかねないとしています。つまり貸金業者と違い、総量規制の対象外である銀行等の貸付において、個人の借入残高が年収の3分の1を超える貸付が安易に行われている傾向にあり、多重債務問題再燃の恐れありということです。
なぜ、銀行カードローン台頭?
 カードローン残高は、3兆5442億円(平成25年3月)から5兆1227億円(平成28年3月)と短期間に急増しています。
 「異次元金融緩和」で金利が低下し利鞘が縮小する中で、高金利のカードローンは銀行にとってうまみのあるビジネス。消費者金融会社に保証してもらえば面倒な取立てを任せられる。消費者金融会社にとっても、規制を強化され自ら貸付を増やせない中で、銀行から巨額の保証料(金利の半分位)をとれるメリットがあります。このように、銀行と消費者金融会社とが手を組み、相互依存し業績をあげているのです。
銀行の自主規制また金融庁の総量規制に備え
 最高貸付額が1000万円の銀行もあり、臨時に事業資金として使っている事業者も存在します。ほんの一時的に短期間で返済可能ならともかく、恒常的に活用なら正規の運転資金として長期資金を地域金融機関や政府系金融機関より導入しておいたほうが賢明です。

注1:(1)金融庁に対し:借入残高が年収の3分の1を超えることのないような貸付を行うようにすべきことを銀行等の監督指針に明記すべき。
(2)銀行等に対し:顧客にとって過剰な借り入れとならないように、顧客の実態を踏まえた適切な審査体制を構築すべき。
(3)国に対し:貸金業法の改正等により、貸金業者が自ら貸付を行う場合のほか、銀行等の行う貸付けに保証を付す場合についても総量規制の対象とすべき。
  
注2:日弁連アンケート調査結果の声明骨子
 「銀行の行う貸付(銀行カードローン)が、顧客にとって過剰な借入れとなり、債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)に至ることが少なからずあることは明らか」と発表。10数年前の、消費者の借り過ぎ、銀行の貸し過ぎによる深刻な多重債務問題の再燃懸念と指摘。
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