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会報誌(DDKだより)

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2017年11月発行 第282号 DDKだより


巻頭:EV車 という創造的破壊


青木 正

 英仏政府は7月、ガソリン・ディーゼルエンジンなど内燃機関で動く自動車の販売を2040年までに禁止する方針を表明しました。つまり、あと約20年ほどで英仏両国内においてガソリン車・ディーゼル車の販売ができなくなるというのです。これが、いま世界の大きな潮流となってきてます。
 日本では、トヨタが近年プリウスに代表されるHV(ハイブリッド)車で大成功を収めましたが、それは電気と内燃機関が走行中に相互に補完し合うため、量産EV(電気)車に転用するのは難しいようで、方向性の大転換を余儀なくされています。
 お隣の中国では、BYD社が9年前に量産を開始したPHV(プラグインハイブリッド)車の販売台数が急拡大しています。この方式は、電気か内燃機関のどちらか一方を選択して走行するので、内燃機関部分を撤去してしまえば量産EV車になります。BYD社は、中国深セン市で22年前に創業した電池メーカー。元々は自動車ではなくITメーカーで、本業の携帯電話用電池のシェアでは現在世界第一位の企業です。BYD社製のPHV車は、中国の大気汚染対策が追い風となり、4・5年前から急激によく見かけるようになりました。
 米国シリコンバレーで14年前に創業したテスラ社。スポーツEV車の生産からスタートしたメーカーで、上海では東京よりはるかに多く走っているのを見かけます。最上級のモデルは最高時速200キロ以上、航続距離500キロ以上の高性能車。3年前に中国人の友人と試乗しに上海のディーラーに行きましたが、ショールームの中央に展示されていたシャシー(骨組み)を見て唖然! シャシー上に大きなパーツがありません! つまり、ここで重要なポイントは自動車メーカーが長年培ってきた技術を競う「エンジン」が不要なため、自動車メーカーでなくても車が作れてしまうことです。しかも、営業マンの話ではトヨタがテスラに長年エンジン以外の技術供与をしてきた(今年6月提携解消)というから、なんと皮肉な話でしょう。
 そして、このEV車の流れに追随するかのように、先日タイ政府が観光名物車の「トゥクトゥク」を全車EV化すると発表しました。
 いま、環境問題によって世界で起こりつつある自動車の「創造的破壊」、米国の経済学者シュンペーターは「不断に古きものを破壊し、新しきものを創造して絶えず内部から経済構造を革命化する産業上の突然異変」をそう名付けました。
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