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会報誌(DDKだより)

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2016年03月発行 第262号 DDKだより


巻頭:東芝に見る日本のグローバル企業の弱点


河原 八洋

昨年日本中を沸かしたラグビーワールドカップで、初戦の南アフリカ戦を覚えている方も多いと思います。29対29で迎えた終盤32分、日本陣内で得たファールを無難にペナルティーキックで3点差にした南アフリカ。終了寸前に南アフリカ陣内で同じように得たチャンスを、無難に五郎丸のキックでは無く、過去ほとんど負けてきたスクラムでの逆転の道を選んだ日本。この選択に満員のスタンドは「ニッポン」「ニッポン」の大コールで応えました。選手の目つきも変わり、結果は皆さんご存知の通りです。
 エディー・ジョーンズヘッドコーチの指示はキックだったそうです。日本ラグビーの歴史を変えるこの判断をしたのは、リーチ・マイケルキャプテンです。あの場面でどうして彼がいとも簡単に歴史を変える事になる判断ができたのでしょうか。私は彼が高校生の交換留学で日本に来て、勝つことだけを考え、日本ラグビーの歴史と過去に拘りがなかったからだと思います。しがらみを背負った日本人では決断出来なかったと思います。と同時に拘り無く彼をキャプテンに選んだチームの勝利でもあります。日本人の主将では、コーチの指示に従って同点で終わり、世間もよく同点に追いついたと評価したでしょう。でもそれでは歴史が変わりません。今、我々に必要なのは過去に拘らず、シンプルに状況判断できる人です。これが多様性を認める事であり、強さが出るのです。
 東芝など大企業の不祥事を見るにつけ、世界に事業を展開していても、考え方が単一的で同質で、状況や変化を読み取る事が出来ない集団になっています。社長が退任に当たって、自分好みの部下を次に添え、顧問や相談役で影響力を残す。指名された社長は、その恩に報い様とひたすら上をだけを見て任期を過ごす。これでは政策結果に誰も責任を取らない、官僚と同じです。制度として社外取締役を入れたり、監査法人を置いたりしても、政府のつくる第三者委員会と同じで、報酬や任命権が同じ所にあるのではその使命を果たすことが出来ません。制度の趣旨に沿って、役割を果していないものは、その責任を追求する制度が必要です。
 では同族経営の多い中小企業はどうかというと、経営責任が明白で「先代がやったこと」では絶対に逃げられません。これが100年企業、200年企業を生んでいる根源なのです。経営者の経営判断が正しく行われて居るかどうかを、社外重役も責任を持たせなければ、グローバル企業の規格には入れないと思います。
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