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会報誌(DDKだより)

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2014年10月発行 第245号 DDKだより


巻頭言:床屋のぼやき


石田 仁

何処の商店街でもかなり前からシャッターを閉めたお店が目立っています。何よりもお客さんであった消費者や住民が高齢化したことに大きな原因があります。また、大型スーパーの進出に押され、それに対し商店街の魅力が乏しく、店主たちの古い経営感覚に問題があると言う人もいます。  
 私はこの土地でこの「なりわい」でつつましく生きていくしかない真面目な店主を何人も知っています。彼らは町会や地域における縁の下の力持ち。私は、心の底から“がんばれ、がんばれ”と応援しています。おもわず微笑みたくなる健気な努力をしているからです。
 近くの商店街の床屋さん。3月に、「消費税の値上げ、するんでしょう」と聞いてみたら「うち、みたいな小さいお店が、値上げすればお客さんは他所へ行っちゃうよ。上げられるわけないよ」とそっけない。「じゃあ、損しちゃいますね」と何もわかっていない間抜けな一言。
 聞けば、最近は常連客ですら来店頻度が落ちている。1か月に一度が1か月半に一度のように間隔があいているそうだ。転居して、わざわざ来店してきた顧客も、どんどん減っていると言う。リタイヤ後は外見を気にしなくなったことや生活習慣の変化で、冠婚葬祭をはじめとした節目に改まって髪を切ることが少なくなってきたとぼやく。
 暮らしは、きつきつらしいが明るくたくましい。今は、夫婦で登山に凝り、定休日を利用し、近場の山やアルプスに出かけている。どこの景色が良くて、どの場所にどんな花が咲くと山行の様子を楽しそうに語るのを聞きながら奥さんが写してきた絶景に見入る。山で採った湧き水でコーヒーを飲む。私のほっとする時間です。
 何かチェンジした。椅子が新しくなっている。椅子に腰かけ、「気持ち短めで」と髪型を頼み、身体を少しずつ倒すと、飛行機のリクライニングのように自動的に足部分が持ち上がる。仕上げに眉カット、耳掃除、マッサージと今までよりサービスが充実している。とても気持ちがいい。泣き言ばかりでなく、勝負をかけている意気込みが伝わってくる。
 何も、「地方創生本部」に頼らなくても、ぼやきが増えれば、エネルギーとなる。店主にエールをおくりたい。
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