会報誌(DDKだより)

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2014年09月発行 第244号 DDKだより

金融・経営相談:機械設備の即時償却が可能となる 優遇税制新設!

Q.当社は飲料メーカーです。製造用機械設備の導入に対し、中小企業には即時償却という破格の優遇税制があるという情報を耳にしました。制度の概要など教えてください。

今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝

A.本年1月20日(産業競争力強化法の施行)以降に取得した設備について、生産性向上のための質の高い設備を導入する際の優遇税制「生産性向上設備投資促進税制」が新設されました。
 即時償却できるとあって、中小企業にとってまたとない好機と注目されています。
 概略、以下の通りです。
?.税制措置の特徴
 中小企業に対して一定の条件を満たす生産性向上機械設備について、平成28年3月31日まで、即時(100%)償却。それ以降平成29年3月31日までに導入した場合は、特別償却50%の目玉政策となっています。その他要件によっては5%~10%の税額控除も選択できます。
?.適用対象となる
      生産性向上設備とは?
(1)最新モデルの機械設備であること。
10年以内に販売が開始されたモデルであるかユーザーが取得をする年度及び前年度(各、1~12月)に販売が開始されたモデルのもの。
(2)生産性向上指標(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率など)が「年平均1%以上向上(*?)」の要件を満たすことが必要。
(3)1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの。
?.即時償却をしたい場合
      どうしたらよいか?
(1)機械設備メーカーが、証明団体(*?)に対し「産業競争力強化法の生産性向上設備等のうち先端設備に係る仕様等の証明書発行申請」の手続きを行います。
あくまでも機械メーカーが申請の主体者となるので、設備ユーザーである貴社から機械の納入業者にこの制度の適用を受けたいという要請を先ずすることになります。
(2)申請書を受理した証明団体において、当該設備が適用対象設備に該当する旨を審査し承認すると証明書を機械メーカーに交付することになります。
(3)貴社は機械メーカーから受領した証明書を税務申告時に確定申告書に添付し、即時償却の手続きをしてもらうことになります。 
 その他詳細は経産省のHPアドレスをご覧ください。
  http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo.html

*?:生産性向上年平均1%以上の一事例
 最新モデルA機械(2010年販売)
   …1時間当たり生産量105。
 一代前モデルB機械(2008年販売)
   …1時間当たり生産量100。
   {(105ー100)÷100}÷2年
     =年平均2.5%の向上となり、
   基準をクリア。
*?:証明団体
 機械設備メーカー自身が所属する工業会  
 (例:日本食品機械工業会、日本産業機械工業会など)。