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会報誌(DDKだより)

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2013年11月発行 第234号 DDKだより


巻頭言:働き方or働かせ方?

富塚 孝

伊藤忠商事は10月から夜10時以降の深夜残業を禁止するという。夜8時以降の残業は「原則禁止」、10時以降は照明を消して「禁止」する。来年3月末まで試験的に取り組み、4月から本格的に実施するそうだ。深夜残業の代わりに始業前の朝5~9時に働くことを奨励し、25%割り増しする時間外手当に加え、25%割り増しの報奨金を払う。管理職にも報奨金を出し、全社で朝型勤務をめざすとのことである。
「ノー残業デー」などで残業を短くしようという企業は多いが、かけ声倒れも多かった。残業禁止という荒療治が実を結ぶには、仕事のやり方の見直しが欠かせないだろう。
残業管理は頭が痛い。見なし残業や、見なし管理職にして残業手当の対象から外したりする手法がある。安倍内閣はホワイトカラー・エクゼンプションや労基法の適用緩和で雇用を企業の都合のよいようにする方向をめざしているようである。参院選挙で問題になった「ブラック企業」が現実にあるので、厚労省も調査しているという。調査結果も大事だがどの企業を調査しているか公開したらどうか。
私の息子は15年ほど前に自動車部品メーカーに就職した。設計開発部門であるため見なし残業で、毎日午前様の帰宅でも20時間から30時間程度の手当てが出るだけであった。何年かは我慢をしたがついに限界となり、労基署に匿名で訴えた。すぐに労基署が入ったそうだが、それもあって自ら転職した。五年ほど前にドイツ資本の自動車部品メーカーの日本支社に就職できた。そこでも残業はあるが全時間を支払ってくれる。但し、退職金制度はない。今年の7月からドイツ本社に一年間の研修勤務となった。ドイツの会社でも公用語は英語である。グローバル経済は英語が共通語なのだ。ドイツの社員に日本の会社の実態を話したら驚かれたそうである。ドイツ人は残業を滅多にしないそうだ。「仕事はいつだってこれで終わりとしなければいくらでもあるからね」というのが基本の考え方だ。定時で帰宅するのが当然だという。深夜まで残業して、その上ただ働きとは信じられないという。そのドイツ人に対して、イタリア・スペインの労働者は「ドイツ人は働き過ぎだ」と批判しているのだそうだ。勤勉が取り柄と言われた日本人は、今のような働き方で良いのか考える時である。
中小企業も、「ブラック企業」と言われかねない労働条件、労使関係があるかもしれない。人間らしい働き方が出来る企業をめざしたい。
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