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会報誌(DDKだより)

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2013年09月発行 第232号 DDKだより


巻頭言:靖国参拝を考える


河原 八洋

靖国神社へ参拝した閣僚や議員は、決まって『お国の為に尊い命を捧げられた英霊に哀悼の誠をささげるのは当然のことです』と話す。これにはいつも違和感を持ってしまう。靖国参拝の大きな問題は、昭和53年にA級戦犯14名を祭神として合祀した事です。東京裁判の公平性を問題にする人もいるが、そもそも軍事裁判です。武力で国際問題を解決しようとすれば、勝者が敗者を裁くことに成る。我が国は国際連盟を脱退してまで、この道を選んでしまったのです。靖国神社そのものも勝者の施設として造られています。戊辰戦争の官軍戦死者だけで、新撰組や白虎隊、会津藩士など徳川方の戦死者は祀られていません。官軍の主導者西郷隆盛も上野に銅像はあるが祭られていません。ましてや日本は無条件降伏まで追い込まれた国です。14人の中には、一切の弁護もせず、他の人が万歳をする中、静かに刑場に消えて行った広田弘毅さんの様な立派な方もいますが、終戦を早める事が出来ませんでした。
その結果、国土は焼き尽くされ、広島、長崎には原爆が投下せれ、300万人もの犠牲とその数倍もの家族に不幸をもたらしました。合祀はこの責任をうやむやにしています。今年も外国から国賓として何人もの方がおいでに成りましたが、誰一人として靖国神社に献花されていません。天皇陛下も15日の追悼式には出席されますが、昭和50年を最後に靖国参拝はされていません。
私の父も合祀されています。また参道に立つ『大村益次郎』の銅像建立に当たって、祖先が奔走したことも近年知りましたが、私は戦争責任をうやむやにする「1億総懺悔論」では、犠牲に成られた多くの方々は納得出来ないと思います。
日本初のテニスのツアープロに成った沢松和子さんは、世界の人と親しくするには、語学やマナーではなく、自国の文化と歴史を語れることと、話しています。これでは胸を張った話は出来ません。8月15日が何の日か知らない若者が増えています。中沢啓治さんの『はだしのゲン』を松江市教育委員会では、描写が刺激的だという理由で、小中学校での閲覧を制限しています(※)。年々戦争の風化止まらない中、国家の指導者である閣僚には、戦争責任と反省を明確にした参拝でない限り、英霊は浮かばれないと思います。 
※8月26日 松江市教育委員会は閲覧制限を撤回
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