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会報誌(DDKだより)

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2013年06月発行 第229号 DDKだより


巻頭言:TPPを考える



富塚 孝

 我が家の近くの西友でオーストラリア産米が5キロ1,559円で売っていた。低価格の国産コシヒカリが2,190円である。オーストラリア産米に関税がかかっているか販売商社に問い合わせてみた。関税はゼロだという。オーストラリア現地の小売価格は10年前のデータで現地産アキタコマチが今の豪ドル水準換算で5キロ2,000円である。輸入米との比較は輸送経費など複雑だから簡単ではない。作付面積などからコストは比較にならないほど安いとみてよい。
 関税がゼロなのはミニマムアクセス米制度が1993年に決まり、今も年に77万トンを輸入しなければならず、その内10万トンを主食用として関税ゼロで販売しているという。ミニマムアクセスは最低輸入機会といい、高い関税による事実上の輸入禁止を撤廃するために創られた。日本は戦後一貫して「一粒たりとも米は輸入させない」と米農家を守るために高い関税を掛けてきた。基本関税がキロ当たり402円である。食糧自給率は100%であるべきとの理念は大事だが、経済のグローバル化が進んだ今は、工業製品を輸出して外貨を稼ぎ、米の関税は高くして輸入を制限することを許してはおけないという国際関係の変化があるということだ。
 安倍政権が参加を決断したTPPは、アメリカ、ベトナム、チリなどに日本が参加して10カ国の戦略的経済提携協定をめざす。米を含むすべての貿易品目の関税撤廃を最終目標にする。米だけを例外にできるとは思えない。
 世界のコメ生産量の多い国は上から7カ国並べると中国、インド、インドネシア、バングラディッシュ、ベトナム、タイ、フィリピンである。ベトナムでは北部が二期作、南部は三期作だ。米生産の多い国でTPP参加国はベトナムだけだ。米の輸出国は同様にタイ、ベトナム、パキスタン、アメリカ、インド、中国、エジプトである。輸入国はフィリピン、ナイジェリア、イラン、EU、イラク、サウジアラビア、マレーシアとなっている。これだけでも米と他の貿易品目が複雑な関係にあると想像できる。
 TPPが「聖域なき関税撤廃」を基本にしている以上、米の高い関税を認めさせられるとは思えない。日本人の主食として米の一人あたり消費量は昭和30年代の半分に低下している。消費者としても米の生産と流通、関税を知り、生産と流通のシステム、TPP交渉参加の是非を考えることが大事だと思う。
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