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会報誌(DDKだより)

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2012年05月発行 第216号 DDKだより


巻頭言:森林・林業の再生を急げ



亀井 賢伍

私は広島県の山村で育ちました。小学校の時、校長先生を先頭に村有林の手入れ(下刈)に参加しました。森のおかげで、寒村ながら学校の備品は充実していました。
家庭の燃料はすべて里山からとれる薪・炭でした。家の普請の折には、地元の大工さんが庭先で手斧や鉋を使って仕事するのを飽きずに見ていました。材木は勿論地元産です。
小学校の同級生の多くが,戦後「官林」で働きました。戦地から復員した人も一緒でした。現場は奥地ですので数カ月合宿します。後年、町長(5か町村合併後)を勤めたMさんもその一人です。
山仕事は、生きた自然相手です。思いどおりにはいきません。木と付き合うなかで感性も磨かれ、畏敬の念も生まれます。作業は、絶えず周囲に目配りし、声を掛け合わないと危険です。おのずから他者への思いやり、連帯の気持ちが培われます。本当の絆です。後段階の作業を考え恥ずかしくない仕事を心がける職業倫理も身に付きます。また起居を共にする中で人生の「先輩」から生きていくうえでの諸々を清濁あわせ学んだといいます。
 
日本は森林面積が国土の3分の2を占め、森林蓄積も50億立方メートルに迫る世界トップクラスの森林大国です。然るに木材自給率は2割台、就業人口は5万人弱です(ドイツ100万人)。成長の余地ある地域産業です。
森林には、木材資源のほか、国土の保全、空気の浄化、水資源の涵養、生物多様性の保全など多様な機能があります。「森は海の恋人」「緑のダム」など一例です。
近年、大雨などによる山崩れが増えています。主な原因に山の手入れ不足が言われています。戦後大伐採のあと植林した木が40年生から50年生を迎えており、放置すると手遅れになります。幸い国産材需要が増えています。人手もあります。
「山の衰えは即ち国の衰え」(秋田藩家老)と言います。まして今は「水とエネルギーの世紀」です。震災復興とともに森林・林業の再生を急がねばなりません。
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