会報誌(DDKだより)

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2012年01月発行 第212号 DDKだより

巻頭言:もう一度考え抜いて、動いてみることから始まる



石田 仁

師走に、「不況でもあの会社は、なぜ儲かっているのか」の見出しにつられ、某セミナーに参加する。売り込みが少し強烈で、彼の、有料指導を受けたあるやり方をすれば、効果的なチラシ配布で、不動産現場見学会にお客さんを大勢参加させることが可能になると。
残念ながら、このやり方は最後まで明らかにされなかったが、資金も無く閉塞状況が打破できない我が中小事業者には、元気をもらえた話だったので、一部をご紹介する。
老舗の漬物屋がこのままでは店じまいと考えていた折、「祝い漬物専門店」に脱皮した例。通常渦巻き状で販売されている長い々守口大根を1本ずつの包装で紅白の縁起物風の長寿大根にアレンジ。これが、老人施設や住宅販売会社の目に止まり、ブレーク。また、バイク便業者がライダーにパソコン小僧を集め、簡単なトラブルならバイクで瞬時に訪問し、修理してしまう。専門店へ依頼するよりは破格に安いそうだ。
もう一つ日経の記事から(12月19日朝刊)。低価格の新興メガネチェーンは30%縮小した眼鏡市場に乗り込み、業績を上げている。度入り眼鏡は4価格帯あるが、レンズの質を変えても追加料金がないことから大人気。ポイントは、「衣料品はサイズにかかわらず、値段は変わらない」という発想を借りたことである。また、市場創造の視点から、「普段眼鏡をかけない人でも来店してもらえる方法はないか」と考え、パソコン、ゴルフ等場面に応じた眼鏡を販売し、今や来店者の10%が本来眼鏡をかけない客層という。
こんな事例を聞かされるとひょっとしたら我が社もと、ヤル気が湧いてくる。その気になることが一歩。
肝は、自社の事業・商品はどうして売れないのか。対象地域はどこで、客層(特にBtoBかCか)は誰なのか。知ってもらう為の宣伝はどうなのか。この幾つかの問いに答える中で、戦略を練り直し、新たな需要を創ることが活路の一つ。
じっとデフレ・円高不況を嘆くだけでなく、考え抜いて、動いてみる。そんな年の始まりにしたい。
本年もどうぞ、よろしくお願い申しあげます。