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会報誌(DDKだより)

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2011年09月発行 第208号 DDKだより


巻頭言:道路やハコモノは必ずしも無駄ではない


石田 仁

先月、早めのお盆で里帰り。近所のお寺で法事を済ませた帰途に、地域の陶磁器センターに寄ってみた。最盛期は観光バスが何台も駐車場から溢れるほどの混雑。自分で粘土をこね、ロクロを回し、成型し、窯焼きと実演ができる。店内には窯元が作ったお茶わん等日用品も置いているが、黄瀬戸や志野、織部、赤津焼き等の作家物の品揃えがいい。愛知万博を契機に、瀬戸物だけでなく名産品が続々登場(うどん、漬物、ブランデーケーキ)し、町おこし、地域おこしにも貢献した。既に、センター開設から10数年。
どんなビジネスも新しい取り組みを日々新たに仕掛けていかなければいつの間にかお客が離れていく。これを打破する仕掛けが絶妙なタイミングでなされなくては商売の継続性が保てない。経営者が日頃から悩むことであり、決断のいる難しい問題でもある。
実は4月から、センターの一角に、おしゃれな赤レンガの煙突を従えた道の駅「瀬戸しなの」(東海環状自動車道)がオープンした。「せとめし」(地元の瀬戸豚を使った焼そば、丼物、ホットドッグ、米粉うどん等)を提供し、レストランは大繁盛。大型トラックも止まっているが地域の乗用車が圧倒的に多いのを見ると飲食や併設の新鮮野菜や地場食品を中心にしたショッピングが地域の人々の「楽しみ」になっているからだろう。元気のなかったセンターにお客が集まり活況を呈しているのだから、道の駅効果が続いて欲しいと思う。過疎の町にとって、道路やハコモノはインフラとなり必ずしも無駄ではない。
愛知県瀬戸市。1300年以上の歴史を持つ陶器の町。人口はわずか13万人。中心部の商店街はほとんどシャッター通り。若者が減り、年寄りの目立つ町である。かつて道路は粘土や砂利の運搬車で土埃が舞い、煙突から窯の黒煙がたなびき町全体がエネルギッシュであったが、陶磁器産業は、寂れて久しい。反面、町のあちこちの路地、小径には「志野やき通り」等の名がつけられ、モニュメントも施されている。現役の「窯」も見学することができる。観光地として復活しようとする意気込みがそこにある。道の駅の取り組みを目の当たりにし、この先も踏ん張って欲しいと願う。
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