会報誌(DDKだより)

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2011年05月発行 第204号 DDKだより

巻頭言:今なすべきこと


河原 八洋

私は学生時代にバスケットボール部で活動していた。
先日bjリーグ仙台の中村社長の話が新聞に出ていた。『4月に入りいつもならスポンサー企業に契約料のアップをお願いする時期だが、今年は金額交渉どころか、お互いにがんばりましょう、としか言えない』と。
今、日本は立場が違い、主張は異にしても地震、津波、原発の大災害から1日でも早く復旧、復興を遂げるため力を合わせようとしている。
領土問題を抱えている韓国、中国、ロシアを始め世界各国からも暖かい声援が数多く届いている。ありがたいことだ。
ところが国内の政治はどうだ。谷垣自民党総裁は政権交代を掲げ、民主党の小沢さんは倒閣運動を主張している。このまま進めば、世界の笑いものになってしまう。
谷垣さんの政治判断の悪さは10年前に遡る。あの涙ながらの『加藤の乱』を止めなければ、政界再編が進み、この10年でよりましな政権ができていたのではないか。政治家に一番必要な利害を超えて10年先100年先の国を考える資質に欠けている。あれで加藤さんの政治生命も終ってしまった。
小沢さんには常にお金の疑惑が付きまとう。法文解釈では白かもしれないが、法の精神からは黒なので疑惑として残ってしまう。ましてこれ等の法は、裁きを受ける政治家が作ったものである事も疑惑に輪を掛けている。
50年に渡り電力業界の献金を受けながら、原発政策を推し進めてきたのは自民党政権であり、この尻拭いを未熟な現政権がしている。
そうであるのに国民の同情が薄いのは、菅総理の人徳の無さによるのだろう。
これだけの政治的好条件のもとでリーダーシップを発揮できない人も稀だ。党利党略、私利私欲を捨て延命を考えず、ひたすら国家国民の将来を考え、退路を断って打ち向かっていただきたい。
今日本に必要なのは、この危機を団結して乗り越え、新しい国家像を描いて突き進む事だ。