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会報誌(DDKだより)

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2010年11月発行 第198号 DDKだより


巻頭言:人件費を削減しなければ成り立たない経済


富塚 孝

円高が止まらない。1995年の79円75銭を突破する可能性が現実味を帯びてきた。1ドル50円まで進むというエコノミストもいる。10月5日に日銀が金融緩和策を決定した。政策金利を実質ゼロ金利としてデフレ脱却まで続けるというものである。アメリカもEUも金利引き下げに動いている中でこの政策で日本経済が活性化し、中小企業の経営が改善するのだろうか。
日銀は国債、社債、不動産投資信託証券などを買い入れる基金を創設することを検討するという。今回の金融恐慌がサブプライムローンなどハイリスクの証券化商品によって引き起こされ、当時の日本のゼロ金利政策がその原因を作ったと言われている。日銀の政策で思い出したのは20年前のバブル経済崩壊である。それまで土地価格は下がることはないという神話を日本中が信じていた。プラザ合意による円高を克服して土地価格は高騰し、土地長者が続出した。ゼロ金利とデフレ脱却政策で再び日本にバブル経済が起きるのではと思うのは杞憂であろうか。
建設業界は民主党政権の「コンクリートから人へ」によって公共工事予算が大幅に削減され、少ない仕事を取り合う仁義なき戦いが続いている。保育園を増設する補助金が出て保育施設の仕事が増えたが補助金事業だとすべて競争入札になる。一番安い業者に発注するという一見合理的な仕組みであるが現実は違う。
当社が敗れた入札の後日談であるが、落札した業者が「予定価格を30%近く下げた価格でこの仕事ができるはずがない。予算より安く落札したのだから追加を出してくれ」とゴネたそうである。認められることはないが発注者も設計者も困っただろうし、そのような業者とチームワークよく仕事ができることはない。
建物は工場で製品を作るのとは違い、職人が手作業で作り上げる部分が多い。安くとった仕事は職人の手間賃を削らなければコストが成り立たない。このように人件費を削減しなければ仕事が取れない事態があらゆる産業で国際的に進んでいる。それが今の経済である。
民主党政権には日本経済のあるべき姿が見える政治を求めたい。

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