会報誌(DDKだより)

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2010年01月発行 第188号 DDKだより

巻頭言:外国人技能実習生受入れ事業をはじめます



石田 仁

当組合は今年で法人設立47年になります。東京オリンピック(1964年)の前年に零細な町工場の社長さんを中心に機工同友会協同組合として産声をあげました。高度成長を背景に、地方から金の卵と言われた集団就職の中学卒業生を自社の社員として受け入れ、同時に職業訓練校を立ち上げ、社長自らが教師となり彼等に職業訓練を授けていました。その後、共同求人事業は14回(1973年)でその役割を終えましたが、新たに第一経理との提携の中で広域の異業種協同組合(1986年)へと脱皮し、金融、労働保険事務組合、高速道路割引事業の3本柱で今日に至っています。
くしくも、昨年は政権交代。「チェンジ」の嵐が吹きまくり、あらゆるステージで見直しが迫られた年でした。新政権はマニフェストに、高速道路の無料化を掲げており、高速割引事業も近い将来、無くなっていく可能性があります。バランスの取れた組合事業の観点からは、新事業の立ち上げが待望されていたところです。
昨年10月に、数年来、あたためてきた外国人研修生受入れ事業の認可が下り、いよいよ本年から事業を開始します。入管法の改正で7月から外国人技能実習制度となり、2ヵ月の研修後は雇用契約に基づく技能実習となり、日常の労働実態に近いものに舵が切られました。
この制度は、単独の企業でも可能ですが、協同組合などの中小企業団体等を通じて中小企業が実習生を受け入れ、彼らに技術・技能等を移転することによって、開発途上国の人材育成や産業奨励に協力するものです。受入れ企業にあっても貴重な戦力となり、また、確実に社内を活性化させる効果があります。
会員の中には高齢化と若者の製造業離れから、自社の高度な技能・技術を持ちながらもそれが移転できず、存続の危機にさらされている企業もあります。  
何とかこのように困っている中小企業のお手伝いができないものか、ずっと模索してきました。思えば、私たちの先輩は既に、40年前に共同求人事業を通して、金の卵たちを世界に誇れる職人に育て上げた貴重な経験を持っています。この先輩たちの輝かしい歴史から学び、困難ではあってもやり甲斐のある事業に挑もうと決意しました。
どうか、新事業へのご指導、ご協力のほど心からお願い申しあげます。