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会報誌(DDKだより)

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2008年12月発行 第175号 DDKだより


巻頭言:オバマ大統領誕生の意味すること

富塚 孝


アメリカ発の金融危機が全世界を巻き込み、経済活動に重大な影響を与えはじめている。
日本のトップ企業であるトヨタをはじめ、自動車各社の決算見通しは大幅な減益である。トヨタは売り上げ減と利益減を最小限に押さえ込むために正社員を残し、期間工と派遣社員の削減を断行。弱いものにしわ寄せして当然としているのだ。トヨタの関連企業、その下請け企業である中小企業は自己責任で身の振り方を決めろというのだろう。下請け中小企業の倒産が始まる。
アメリカの三大自動車メーカーも経営破綻の危機に瀕し、社員、工場労働者の解雇に踏み切るようだ。ますますアメリカ経済は落ち込む。アメリカ流を日本に導入したのが今から八年ほど前。それからワーキングプアが生まれ、派遣社員を非人間的な労働条件で働かせて何とも思わない風潮が広がっていった。
蟹工船ブームが生まれているのは戦前の封建的な時代の労働実体と現代のそれとが本質的に変わっていないことを意味している。
人間らしく働くことが当たり前の社会にしなければ日本は滅びるしかない。
問題を起こした金融商品はNASAの技術者が数学とコンピューターを駆使し作り上げたものである。投資銀行が債権を証券化し、さらにそれら各種証券をまとめて大量に全世界の金融機関と個人投資家に売りまくった。債権を証券という「紙」に換え、マネーゲームにして売買してきたのである。住宅価格が下落し、低所得者たちの住宅ローンが焦げ付きはじめると、証券化されたこれ等住宅ローン債権はついに紙切れになった。紙幣を増やすゲームは商品そのものは作れないからだ。
労働者や農民や漁民が額に汗して地球の資源から作り出した富の一部を掠め取っているだけなのである。金融資本主義に未来はないことにアメリカ国民は気がついたのではないだろうか。それがブッシュ政権への批判となり、オバマ大統領の誕生となった。だからといって資本主義が終わるということではない。大金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏になるしかない今の社会ではダメだと言うメッセージである。
では、どういう社会にするのか。日本もアメリカも今その答えを考えようという時代に入ったということだ。
オバマ大統領の誕生は大きく深い問題を全世界に提起した。
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