会報誌(DDKだより)

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2008年06月発行 第169号 DDKだより

巻頭言:「後期高齢者」に自己責任を

亀井 賢伍


“言わしておけば言うものぞ”“よくぞ命名”。「後期高齢者」の傷心の叫びです。一番の問題は年齢差別ですが、ここでは自己責任について考えたいと思います。4年前「戦争、暴力、非寛容を拒否する思想の伝達者」(ルモンド紙)と呼ばれた青年達がイラクで拘束されたとき筋違いの「自己責任」論が邪な意図をもってふりまかれました。寒々とした光景でした。

ことし4月75歳以上の高齢者は、強制的に別枠の医療制度に囲い込まれました。「終末相談支援料」まで用意されています。私は7年前、「終末に当っての要望書」を書きました。徒らに死期を引き延ばす延命装置はお断り、という主旨です。家族や社会に迷惑はかけたくない気持ちからです。生活習慣病を悪化させないよう心掛けてはいますが、無為に生きようとは望んでいません。幼少時より、潔さと責任感を叩き込まれて育った者として自然の成行きです。同時代人の多くも同然と思います。何も、別の制度をつくることはないのです。それこそ自己責任に任せなさいと言いたいです。下手に“終わりは近い”などと仄めかされると“生きてやるぞ”となり兼ねません。

年金天引きについて一言。年金は恩恵的に国から下賜されるものではありません。相当部分受給者の掛金です。保険料の天引きは同意した人に限るべきです。私は、保険料納付の手間は一向に苦になりません。時間はありますし、銀行の最近の動向、職員の仕事ぶりに興味と関心があるので足どり軽く出向きます。天引きが徴収する側に便利なことは自明のことですが、納める側の事情は一様でないことに気づく感覚が必要です。