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会報誌(DDKだより)

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2007年10月発行 第161号 DDKだより


巻頭言:もう一つの歴史教科書問題について


亀井 賢伍


従軍慰安婦、南京大虐殺、朝鮮・台湾の植民地支配などの記述をめぐる歴史教科書問題は、外交上もとりあげられ広く知られています。「満州事変」から太平洋戦争にいたる日本の侵略戦争を「自存自衛」のため、さらにはアジア解放のための、やむを得ざる、正しい戦争だったとする特殊な歴史観にたって作られた中学校の教科書が対象でした。検定には合格したものの殆ど採択されていません。ここではもう一つの問題について述べたいと思います。

それは小学校6年生の歴史学習で、教科書の本文から旧石器・縄文時代の記述が削除されたことです。近代史でなく原始時代の話ですが、現在及び未来につながる問題として危惧を覚えます。「満州事変」の起こった年に生まれた私は、中学校3年で敗戦を迎えるまで日中戦争、太平洋戦争と15年間ずっと戦争のなかで育ちました。中学では2年から勤労動員で手榴弾を作り、とどめは原爆でした。「神州不滅」を信じて疑わず国のため命を捧げる覚悟でした。軍国少年になった大きな要因に歴史(国史)教育がありました。

戦後、それまで教わった「歴史」が間違っていたこと、日本が「神の国」ではないことを知り、教育の力(怖さ)を痛感しました。
改定の主な狙いは“日本民族の歴史は大和朝廷とともに始まる”との国柄論を浸透させるためです。旧石器・縄文時代には大和朝廷などなかったから削除したいのです。過ちを繰り返すことになります。問題はこれだけではありません。昨年11月に出された、「日本考古学協会」の「学習指導要領の改訂に対する声明」は、記述復活の必要性について、考古学の成果を踏まえて、誰もが納得できる解明をしています。
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