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会報誌(DDKだより)

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2007年06月発行 第157号 DDKだより


金融・経営相談:再生計画に協力しない自治体当局

Q.地方都市の港町で、夫婦で理・美容業を営んでいます。かつてはスタッフ数名を抱えて、店舗兼住宅も従業員宿舎も新築しました。
地域衰退とともに売上げが落ち、ここ数年は月商50万円台です。子ども(3人)の教育費もかさみ、やりくりがきかなくなり、税金と国保を滞納したので、市役所は土地建物を差押えしました。地価が下がってしまい担保余力は全くありません。
夫婦で一大決心をして、再建計画を決め、金融機関(農協、信金2ヵ所)と市役所それぞれに返済条件緩和をおねがいしました。
金融機関は、市役所が差押えを解くならば協力するといってくれるのですが、市役所はまとまったカネを持って来なければダメだ、と怒鳴るばかりです。このままではどこの協力も得られず破産するしかありません。
なぜ話を聞いてくれないのでしょうか?

今月の相談員
国民生活金融公庫出身 田口 良一

A.
市当局はおそらく次のようなことを考えて差押えしたのではないでしょうか。
① おどせば取れる。「ダメもと」ではあるが、このやり方はしばしば成功している。借金して支払ってくれる。
② 金融機関には正常に返済しながら市税だけ滞納するのはけしからん。税金には先取り特権があるんだ(後述)。   しかしこれには誤解があります。金融機関への支払いは、一方から借りて他方へ返済する「やりくり」でしかなく、借金総額は減っていないのです。
③ 微税成績のノルマを達成しなければならない。   市職員には厳しい成績主義の人事考課があります。
④ 最終的に分納を認めるとしても、担保か保証人か先日付小切手などで、将来の回収を確実にするため「保全」を強化したい。
さて、このような考えの市当局と折衝するにはそれなりの覚悟が必要です。その覚悟とは、税金も含めてすべての借金を期間を延長して支払うとの決意を貫くことです。この決意がぐらつけば、すべての債権者からの協力は実現しません。相手の形相にひるんで支払を優先させたら、結局は再生計画全体を放棄することになってしまいます。
月商50万円台という営業実績は、従業員2人の理美容業では、決して低いものではありません。総務省統計局の調査と比べても平均以上の売上です。おカネのやりくりを正常に戻すことができれば営業を続けることは十分に可能です。
まして、一市民が再チャレンジをかけて、再生計画を提出して、担保権者が抵当権の実行を抑えて協力する姿勢をみせてくれているのに、市当局が特権(先取特権)をふりかざして再建を妨害することは、権利の濫用です。
こわいでしょうが、おどしにひるまず辛抱強く、理解を求めましょう。同時に市当局との交渉経過は他の債権者にも通報することを忘れないで下さい。
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