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会報誌(DDKだより)

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2007年05月発行 第156号 DDKだより


金融・経営相談:安定した資金の確保にビジネスローンは適しているか~銀行取引のこれからの留意点は?

Q.銀行のすすめで、無担保・第三者保証なしの「ビジネスローン」を利用しています。
 借入期間が短く、金利も割高なので長期的に安定した資金調達として不安があります。業績も一進一退ですし、審査基準も変化すると聞いています。今後、安定した資金の融資を求めていくため、銀行交渉をどのようにすすめたら良いでしょうか。

今月の相談員
中小企業診断士
中小企業組合士 伊藤 勝


 1.ビジネスローン利用の限界
手続きが簡便、審査期間が短い、第三者保証・担保が不要などの理由でビジネスローンが急増したようです。決算書などの過去の財務データに基づき貸出自体や期間、金利が決定されるため、短期的な運転資金としては一定の利便性があるからです。
但し、事業の将来性や事業への理解といった面は融資の際に殆んど考慮されていませんので、一旦業況が悪化した場合には、繰り返しのローン利用は困難となる恐れがあります。
資金調達において一定の補完的役割を果たしていますが、統計的に算出された倒産確率等を用いる融資審査を行うために、非財務情報(事業の市場動向・技術・販売力・代表者の属性などの定性的情報)や事業の将来性の変化を捉えられないという限界があり、長期安定資金の保障はありません。

  2.銀行の最近の動向
銀行が与信審査時に重視する項目として、最近では金融庁の指導方針[注1]に沿って、非財務情報(前述)にも着目し、企業の実態や将来性を見極めて融資を進めようとする動きがあります。財務情報に関しては、「信用リスク管理」に加え「新BIS規制への対応」のため審査システムの自動化が進んでいます。

3.安定的取引のために、銀行に知  らせたい自社の知的経営資産情報
これからは、定量化に馴染まない非財務情報の開示が重要なポイントとなります。財務面のみならず非財務情報を加味した与信判断力(目利き)のある融資担当者を多く有する銀行ばかりではありません。自社の将来利益や企業の持続性を説明するために、財務諸表に表れない企業の経営資産(自社の強み、経営課題など)を経営計画書に盛り込み、銀行に対して大いにPRすることが肝要です。
自社の実態把握と経営課題・戦略を明らかにする際、多くの金融機関が企業分析に利用しているSWOT分析[注2]という手法を活用してはどうでしょうか。
詳しくは、DDK相談員まで。

[注1]金融庁の金融検査マニュアル(中小企業融資編)では、中小企業の評価に関し金融機関に対して、「継続的な企業訪問等を通じて企業の技術力、販売力や経営者の資質といった定性的な情報を含む経営実態の十分な把握を…」と明記し、融資先企業への金融仲介機能強化を指示。
[注2]決算数字の背景にある経営課題を明確にする手法。
◇経営課題の明確化にあたっては、経営環境を内部(企業の保有する経営資源)と外部(市場動向等の外部環境)に分け、それぞれをプラス要因とマイナス要因に整理・分析する。
◇組織の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4軸から評価する。
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