会報誌(DDKだより)

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2005年08月発行 第135号 DDKだより

巻頭言:混乱から新しい経済の担い手か

岩井義照 



 イラクでの連日の自爆テロに加えて、イギリスでも大規模な自爆テロがおこり、テロが世界中に拡散している。それは事実上の第3次世界大戦ではないかとの不安がおこる。 
 アメリカの経常収支の赤字は既に六千億ドルに達し、一分間に百万ドルずつ増え続けている。恐ろしい話だ。絶えず返済不能の借金を増やし続けるしかない。日本の赤字国債は約八百兆に近づき、既に絶対返済できない額に達している財政破綻国である。世界は一体どうなるのか。こうした不安に駆り立てられ、昨年から帝京大学の降旗先生を囲んで勉強会を行ってきた。 
 先生の意見は歴史に学べということだ。 
 経済が行き詰まる。財政が破綻する。失業者が増え、モラルが破壊される。金持ちは享楽に走り、庶民は財布の紐をしめる。若者は展望がなくなるので働かなくなり、社会不安が増大する。うつ病と怪しげな新興宗教がはやる。これが人間の歴史だそうだ。 
 いま日本でもうつ病患者が六百万人、潜在患者がその倍はいるという。私の事務所に相談にくる人の中にも新興宗教にすがっている人が多く驚かされる。こうした宗教の信者に日本のトップ企業の錚々たる役員が名を連ねていてぞっとしたことがある。この信者会長や社長たちが、次期役員の任命や、会社の重大な方針を教祖様に相談して決めることも多いという。恐ろしい話だ。 
 しかし先生の話には展望もある。こうして衰退した国はどのように復活していくのか。既存の秩序が崩れ、経済の混乱の中からあらゆる雑多な企業、中小零細企業が活力を生み、新しいモラルと経済が発生してくるという。既存の大国が衰え、新興国が力を伸ばしてくるという。今の世界でもブラジル、ロシア、インド、中国の四ヶ国がブリック(BRIC)の連合を作り、先進国に対抗している。どんな困難があっても衣食住がなくなるわけではない。消費者と結びつき、努力している中小企業は必ず生き残れる。むしろ新しい経済の担い手となる。頑張ろう。