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会報誌(DDKだより)

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2003年03月発行 第106号 DDKだより


巻頭言:貸し渋り、貸しはがしについて 

亀井 賢伍


  銀行の貸し渋り、貸しはがしの要因は、いくつかあります。誤った国策が主因であることは言うまでもないことですが、今回は銀行側に内在する問題に絞って考えてみます。 
定量分析偏重
 一つは、コンピューターによる定量分析(財務)の偏重です。私たちは科学技術の進歩は歓迎、その利用に積極的な立場です。分析ソフトが、いっそう磨かれ精緻になることを信じ希望するものです。
 しかし肝心なことは、何のためにどう使うかです。切り捨ての道具にしてはいけません。中小企業は多かれ少なかれベンチャー性を有しています。過去の実績(数字)だけでなく、技術、経営者の熱き思い、志、従業員の表情などなど、定性要因を含めトータルな底力、将来性を判定しなくてはなりません。そのためには、面と向かい合い、面構えも観察しながら隠しごとのない情報を得て、共に育ち合うことが求められます。第一関門(機械のお告げ)で足切りされ抗弁の機会もないのでは浮ばれません。

支店長権限の縮小
 もう一つは支店長権限の縮小です。バブル期、押しつけ融資に狂奔していた頃、銀行では審査部門(本部)が軽視され邪魔者扱いされました。その反動でバブル崩壊後は支店長権限は大幅に縮小され、支店長(現場)のやる気を殺ぎ決断力を眠らせてしまいました。多様性に富み、異色を身上とする中小企業の全体像の把握には、顧客に密着した現場(支店)の力が不可欠です。度胸も要ります。
 いま流行りのコンピュータ融資は焦げついても責任は問われないそうです。悪いのはソフトだからです。これでは人間にとって成長の糧ともなる達成感、喜びは生まれません。職業倫理も衰退するでしょう。

社会的責任
 そんな非効率なことを悠長にやっていたら競争に負けてしまう、時代は変わったのだ、という声が聞こえそうです。どの方向に行くかは夫々の銀行の戦略によるでしょう。しかし融資を通して企業を育て、日本経済に貢献する社会的使命を放棄するのであれば、公的支援を受ける資格もないと言わねばなりません。
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