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会報誌(DDKだより)

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2002年11月発行 第102号 DDKだより


巻頭言:意地でも潰されまい

専務理事  石田 仁       

 

 取材や講演でよく質問されることがある。「いつから景気はよくなりますか」、「どんな商売が儲かりますか」と。事のついでに尋ねたくなるのも当然だが、それにどんぴしゃりと回答できないのが辛い。
 実際、私の力では無理がある。従ってそういう質問には「まだまだ、景気は悪くなります。今が普通と思ってひたすら体力を温存してください」と。後者の問いには「そんなものはありません。ただ、自社事業改善の余地を必死に探って下さい」と歯切れの悪さは承知の上で応えている。いずれも、「創意と工夫」だけで凌げと言っているにすぎないからだ。
 商店街の自転車屋さんは、考え抜いた末「当店の空気入れは無料です。どうぞご自由にお使いください」と看板を掲げ、顧客を増やしている。また、某ハウスクリーニング業の社長は「当社は清掃業です。掃く、拭くが仕事。徹底した人力による水洗いが基本。顧客に見えない汚れ落としがプロの仕事」と言って、両膝が抜けた作業ズボンでその独自性を主張している。マスコミが礼賛する大手勝ち組の基準は増収増益、米国での成功、投資家の評価等が一般的であるが、それとは関係なく小さいながらも工夫次第で成功している中小企業が確かに存在する。
 しかし、他方赤字が累積し、資産デフレで含み損を抱え実質債務超過にならざるを得ず、金融機関から強制的に「破綻懸念先」に格付けされ、一方的に回収されようとしている真面目な中小企業の一群も存在する。資産デフレは失政であり、社会問題でもある。一人経営者のみに責を負わせる問題でもない。彼らの大半は苦しい中でも律儀に返済しており、経営に工夫を凝らし、会社を潰さずに経営しているのである。だから多くの働く人々と家族の生活が維持されている。本来なら国は中小企業が長年にわたり国民を食わせてくれたことに対し礼を言ってしかるべきところである。
 竹中金融・経済財政担当相になって事態はますます悪化している。これ以上真面目な企業が「不良債権強行処理」の名の下で潰されてはなるまい。 

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