21世紀が求める“共同体”

  顧問  河野 先       
     (株)第一経理 会長
     全国中小企業家同友会全国協議会幹事長

 


 2000年の幕開けは、何としても21世紀を希望の世紀にする大切な結節点の年にしたい。
 産業再生法に代表される市場経済競争至上主義では、凄まじいビッグバンとリストラが横行し、疑心暗鬼と将来不安を高め、本当にこの経済政策で日本経済が再生できるのか、大変な疑問を感じている。
 一方、昨年末には、規制緩和先進国といわれたニュージーランドでの政権交代、WTO閣僚会議の決裂などと、新しい流れが起きてきている。
 内橋克人氏は、「浪費なき経済成長(理念型経済)」の担い手、「自覚的消費者」の育成、人・組織・開発で、実の技術・サービスと適正な規模・技術・成長という「新しい概念」を創造し「生きる 働く 暮らす」の統合を訴えている。
 日本労働者協同組合は「労働の社会化と地域の人間的再生―新しい福祉社会の創造」という目標を掲げ、21世紀への希望をどこに見い出すかを模索し、活動を展開している。
 ドラッカーは『未来社会への変革』で、21世紀の主役は国家ではなく共同体であるとし、未来の共同体がもつ可能性を示唆している。
 21世紀を迎えるに際して、人口構造、技術・産業構造などが大激変する中で、世界全体の社会構造はどう変革していけばよいか。いまや混沌のジャングル化した先進諸国の荒廃した都市を救う上での「新たな共同体」の役割を述べている。
 20世紀の歴史は政府と市場の両者が、経済運営の主導権を求めて綱引きを繰り返す、大きな政府、小さな政府論だったが、安定し繁栄する社会建設に第3の分野として「共同体」の視点を提起している。
 WTO、OECDの決議、勧告の精神を、今後の活動に生かすことが大切であり、その実践を積み上げながら先駆的な協同組合を構築する年にしたいものである。