金融
相談

相保証はダメといわれたが…

Q.  昨年秋、国民公庫へ前回並みの1,500万円を申し込み、 600万円だけ(うち300万円は借換え分)融資を受けました。 保証人は私のほかには実兄で、担保も提供しました。 今回実兄が公庫の別の支店から500万円の融資を受けるにあたり、 恩返しのつもりで保証人に立ったところ、相保証は認められないと、 変更を言い渡され、大恥をかいています。


今月の相談員
  参与  田口 良一
    国民金融公庫出身
    祝経営研究所次長

A. @相保証は中小企業間では一般的なこと
 もし、相保証がダメだとなったら、中小企業金融は保証協会も含めて、 たちまち行き詰まってしまいます。2人間のトレードがダメとなれば、 3角トレードも4角トレードもダメとならざるをえません。 この公庫の主張は結局のところ、保証人は借主と同じ債務であり、 保証人になるとみずからの与信枠がそれだけけずられるという 考え方なのです。これでは保証人のなり手は1人も居なくなってしまう でしょう。中小企業の間では、「頼めば頼まれる」関係から脱出 できないのです。みんなで借りてみんなで保証し合うしかないのです。 仮に、金融機関がちがえば相保証は調べようがありませんから、 公庫の主張は公的機関にあるまじき「強者の論理」です。
A担保付き600万円がわざわいのもと
 公庫の本音は、お兄さんには融資できるが、 貴社には融資したくなかったのです。だから600万円に担保まで 要求したのです。国民公庫には、無担保・無保証人・保証協会なしの マル経貸付1,000万円という制度があります。このことを考え合せると、 貴社の将来性はよほど警戒されていると考えなければなりません。
 逆説的になりますが、貴社が1,500万円の申し込みを、600万円に 減額査定されたうえに、担保提供まで求められたとき、 いわれるままに従ったことが災いの始まりです。
 この汚名をそそぐためには、貴社の好調な収支計画を、 資料整理したうえで、2つの支店に勇気をふるって説明し 誤解を解くことです。一番手っ取り早いのは、 減額査定分の回復を求めて再申し込みをすることです。

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