3割負担・総報酬制  
 ―4月から変わる健康保険制度
4月から健康保険制度が大きく変わるようですが、その主な内容を教えてください。
昨年10月に続く一連の「改正」は、急速な少子高齢化の進展と経済低迷のもと「将来にわたって医療保険制度を安定的かつ持続可能な制度へと再構築していくため」に行うものと言われます。しかし、健康保険被保険者本人の3割負担などは、国民の健康を守る皆保険制度の土台をくずすとして、医師会・歯科医師会など医療関係者を含む多くの国民が反対してきたところです。
 4月からの主な「改正」点は次のとおり。
T給付率の見直し
@ 現役世代(3歳以上70歳未満)の窓口負担を3割に統一(被保険者・被扶養者とも、入院・通院の別なく)。ただし、3歳未満の乳幼児は2割負担。
A 外来薬剤一部負担金(6歳から70歳未満の人が通院時に払っていた)の廃止
B 資格喪失後の継続療養の給付を廃止
C 任意継続被保険者の加入期間は最長2年に(55歳以上で任意加入被保険者となった場合、60歳になるまで(最長5年)加入できた特例を廃止)
D 高額療養費(70歳未満)の自己負担限度額の引き上げ
一般の人の限度額
  72,300円+(医療費−241,000円*)×1%
 *(旧)361,500円
上位所得者(標準報酬が月額56万円以上)の限度額
 139,800円+(医療費−466,000円*)×1%
  *(旧)699,000円
U賞与からも月収と同じ保険料で
 徴収する総報酬制の導入

@ 政府管掌健康保険の保険料率は、月収・賞与とも1000分の82に(総報酬ベースで1000分の7の引き上げ)
A 賞与を支払ったときは、被保険者個人ごとに賞与の額(1000円未満切捨)を記入した「被保険者賞与支払届」に「同総括表」を添付して提出
B 算定基礎届は4,5,6月を対象月として7月に提出(新報酬月額は9月から翌年8月まで適用)
 
今月の相談員
社会保険労務士 栗原 淑江
制度改正