20年振りの厳冬。津南町の豪雪は尋常ではない。3m93cmは信号機の高さである。これが家屋をつぶそうとする。居残った高齢者が必死で雪おろし、その結果が転落等による「事故死」である。既に、100名を超えた(1月16日現在)。事態は昨年から予見できており、事故死と片づけられては無念である。自衛隊の出動の遅れを知事の責任にするのもいかがなものか。こういう時こそ、自衛隊に働いてもらいたいのである。米国のために「イラク派兵」を続行するより、国家は国民のために直ちに雪害対策を実行すべきであろう。これ以上、お年寄りを無駄に死なせてはなるまい。
他方、景気は設備投資や個人消費により内需主導で回復し、既に、拡大局面に入っており、昨年12月で47ヶ月を超えたという。戦後最大の「いざなぎ景気」に並ぶようだ。イノベーションに遅れた中小企業や私たち庶民には社会保険料、介護保険料、医療費等増税の嵐が容赦なく吹きまくり、よくなった実感はまるでない。
巷では「下流社会」がブーム。著者によると下流とは所得が低いことではなく、意欲や能力が低いことを意味しているが、果たして正鵠を得ているだろうか。所得などの格差を示す「ジニ係数」を当初所得でみると90年の0.43から02年は0.49に急上昇。0.5を超えると極端な不平等社会となり、ただちに、改善されなければ大混乱になると言われている。まさに、イエローカード状態である。少なくとも「下流」と揶揄されている団塊ジュニア層は、すき好んで派遣社員となり、お手軽なマックや吉野家で食事を済ませ、結婚もせず、歌って踊っているのではない。とにかく「格差」がタイトなのである。
豪雪地帯のお年寄りが雪おろしで亡くなり、デイケアセンターのお年寄りのサイフを空っぽにする介護保険料、そして夢も希望も持てず結婚もできない若者たちがいる日本。「ライブドア」、「耐震偽装」、「米産牛肉」問題でとうとうメッキがはがれた「改革」。この国の行方が心配でたまらない。 |